餃子研究会南嘉堂の餃子博覧会
相互リンクトップへ
   
餃子研究会
餃子の起源
餃子と健康
世界の餃子
皆様の焼き方/食べ方
有名店紹介
餃子関連書籍
相互リンク
相互リンク
相互リンク
→テストリンク
→テストリンク
 

1. 餃子の定義

世界の餃子を集めてみたいと思います。
しかしその前に餃子を定義しなければなりません。皮で具を包んだ食品はちょっと思い出しただけでもタコスやトルティーア、日本では柏餅までで拡がってしまいます。これでは世界中が餃子で埋まってしまいますし、形状が似ていても決して餃子とはいえないものまでが含まれてします。そこで次の点に注目して餃子を定義してみました。


  1. 皮については餃子の起源でも触れましたように、中央アジア原産の小麦の中国到達が餃子の成立に大きな役割を果たしていることから「小麦粉に水分を加え練ってあること」を第一とします。広東・香港の海老蒸餃子に見られるような「浮き粉」も小麦デンプンですし、またイモ類を皮としたものも必ず小麦粉を入れてつなぎとしており、ピロシキのようなパンを皮としたものも小麦粉を発酵させたものでありますので、無理なく定義中に入ると考えます。


  2. 具は餡とも呼ばれますが、点心の餃子類には一般の餃子のように塩や醤油を加えた鹹(塩辛い)ものだけではなく、カスタードクリームを入れたりして甜(甘み)をもったものもあります。これは味付けだけでなく具の中心となる素材の多様性を示すものであり、食事として空腹を満たす目的だけでなく、デザート・おやつとしてもポジションを持っていることの証明でもあります。そこで、具については「その如何を問わず」としなければ多様な餃子の世界を定義しきれないかと考えます。

  3. 調理

  4. 「小麦粉に水分を加えて練って皮となしたものになんらかの具を包んだもの」というだけでは例えば生春巻き(ベトナム)も含まれてしまう可能性が出てきます。これを是正するには「加熱処理をしたもの」という限定をつけなければなりません。特に「皮と具を同時に加熱したもの」との文言を入れておかないとローストビーフサンドイッチなどの場合はこれも餃子の一種といった拡大解釈に繋がる恐れが出てきます。焼く・煮る・茹でる・蒸す・揚げるの内のいずれかまたは複合した加熱を「皮・具同時に施したものとする」のが必須の条件ではないでしょうか。

  5. 結論

  6. 餃子の定義として、「小麦粉を何らかの水分で練り、それで何らかの具を包み、皮と具を同時に加熱・調理したものを餃子とする」が一番妥当であると考えます。

2. 餃子の世界分布

このように餃子を定義した上で世界の餃子分布を見てみると、幾つかのルートに分かれて餃子の兄弟が分布しているように観察されます。
1番目はシルクロードルートとでも称すべき水餃子系の流れであり、2番目は南方ルートと呼ぶべきインドシナ半島地域へのルートです。中国の文化交流(貿易・戦争も含んで)の足跡を辿るような分布となっています。
  1. シルクロード西ルート

  2. 一般的に「シルクロード」と呼ばれる中国から見て西のコースに分布する餃子兄弟です。モンゴルの「ポーズ」(蒸餃子)や「ホーショール」(揚げ餃子)「トイショル」(乳茶煮餃子)が有名です。ネパール・チベットでは「モモ」という蒸餃子が見られます。小龍包と良く似た形でモンゴルのポーズにソックリです。ロシアではシベリア地方に「ペリメニー」という餃子があり、主にスープ餃子にして食べられています。シルクロードの中間のトルコではズバリ「マントゥ」という水餃子が存在します。マントゥは中国語の「万頭」が語源に違いなく、肉は羊肉でタレにはヨーグルトソースといかにも中東風の素材・調理ですがそのスタイルに発祥の地を伺うことができます。ギリシャあたりの餃子は不明ですが、イタリアのラビオリを以って最西部ではないかと考えています。

  3. シルクロード東ルート

  4. 朝鮮半島から日本へのルートですが、歴史的にシルクロード時代(隋・唐・飛鳥の時代)に果たして伝播していたかは疑問です。正倉院御物にでもその製法が残っていればもっと強く主張できるのですが、ザンネンながら現在の素麺に繋がる小麦粉製品の元祖のようなものは確認されていますが餃子となると手がかりはありません。朝鮮半島では「マンドゥ」という水餃子(スープ餃子=ワンタン)があります。日本へは明治以降中国からの商人・留学生がたくさんやってきた時期に中華街が成立していきますが、その中でワンタン(スープ餃子)が持ち込まれ日本人にも普及していきました。焼き餃子は戦後になってから中国東北部よりの引き上げ者や旧軍関係者によりもたらされ、1960年前後から爆発的に広まったことは皆さまご存知のとおりです。

  5. 南方ルート

  6. 中国の南隣国であるベトナム・ラオス・カンボジアにはやはり水餃兄弟が広く分布しているようです。ベトナムでは「バンクン」という蒸餃子に唐辛子入りニョクマムの甘辛いタレをつけて食べているとのことです。タイにも焼き餃子系のものがあるようですがエスニック料理に疎く、この方面の情報は不足気味であります。

この項の終わりに

「世界の餃子」と題したコーナーですが、まだまだ情報が不足していることを痛感しました。特に「餃子の世界分布 南方ルート」は未完成であり他のルートについても満足できる状態ではありません。これからは中国の料理だけでなく世界の料理研究もあわせて行い、本格的な世界分布を調査したいと思いますが、皆さまの中にも情報をお持ちのかたは是非ご提供いただきたくお願い申し上げます。日本の多くの都市で世界中の料理が食べられる時代となってきました。それだけ世界中から人々がやってきている時代となったわけですが、身の回りの方にも是非この研究があることご宣伝いただき情報のご収集をお願いします。また、その結果「餃子の定義」を書き直さねばならぬことと相成るかもしれません。新しい餃子の地平が見えてくることを楽しみに項を終えます。